WordPressを保守管理するメリット・デメリット

WordPressのホームページを運用していると、「保守管理」という言葉を目にすることがあります。
WordPressやプラグインの更新、バックアップ、セキュリティチェックなどを継続して行うものですが、

「毎月費用を払ってまで依頼する必要がある?」
「WordPressの更新くらいなら自分でもできるのでは?」
「保守を依頼すると、実際に何が変わるの?」

と疑問に思う方もいるでしょう。
WordPressの保守管理にはさまざまなメリットがありますが、すべてのホームページが専門会社との保守契約を必要とするわけではありません。
社内で適切に管理できるのであれば、自社で保守することもできます。
大切なのは、「保守会社と契約しているか」ではなく、ホームページが継続して適切に管理されているかどうかです。

この記事では、WordPressを保守管理するメリットとデメリットの両方を整理し、自社のホームページに保守契約が必要か判断するためのポイントを紹介します。

WordPressを保守管理する5つのメリット

WordPressの保守管理は、単に管理画面に表示された「更新」ボタンを押す作業ではありません。
定期的にサイトの状態を確認し、問題が起こりにくい状態を維持することが大きな目的です。
具体的には、次のようなメリットがあります。

1.セキュリティ上のリスクを減らせる

WordPress本体やテーマ、プラグインでは、機能追加や不具合修正だけでなく、セキュリティ上の問題を修正するためのアップデートも行われます。
脆弱性が発見されて修正版が公開されても、古いバージョンを使い続けていれば問題は残ったままです。
定期的にサイトの状態やアップデートを確認することで、こうしたリスクを減らすことができます。

ただし、適切に保守していれば絶対にハッキングされない、という意味ではありません。

新たな脆弱性が発見されることもあれば、WordPress以外が原因となるケースもあります。
保守管理は「絶対に攻撃されない状態」を作るものではなく、リスクをできるだけ小さくしていくための対策と考えるのがよいでしょう。

2.不具合を早く発見しやすくなる

ホームページの不具合は、必ずしも「サイトが表示されない」という形で現れるとは限りません。

トップページは正常でも、

  • お問い合わせフォームからメールが届かない
  • 一部のページだけレイアウトが崩れている
  • 特定の機能だけ動かなくなっている
  • 管理画面でエラーが発生している

といったことがあります。

定期的に表示や機能を確認していれば、このような不具合を早い段階で発見できる可能性が高くなります。
特に企業サイトでは、お問い合わせフォームなどの不具合に気づかないまま運用を続けると、機会損失につながる可能性もあります。

前回の記事WordPressを保守せず放置するとどうなる?実際に起きたトラブル事例でも、見た目ではわかりにくいトラブルについて紹介しています。

3.トラブルが起きたときに復旧しやすくなる

WordPressの保守で重要なのがバックアップです。
ただし、単に「バックアップを取っている」だけでは十分とは限りません。

  • いつ取得されたものなのか
  • どこに保存されているのか
  • 何世代残っているのか
  • ファイルとデータベースの両方が含まれているか
  • 必要なときに復元できるか

まで把握しておく必要があります。
万一アップデート後に不具合が発生したり、サイトに問題が起きたりした場合でも、正常な状態のバックアップがあれば復旧できる可能性が高くなります。
つまりバックアップの目的は「保存すること」ではなく、必要なときに戻せる状態を作っておくことです。

4.サイトの状態を継続して把握できる

これは目立ちにくいメリットですが、長期間運用するWordPressでは意外と重要です。
ホームページには、運用を続けるなかでさまざまな変更が加えられます。

プラグインを追加した。
フォームを変更した。
サーバー環境が変わった。
担当者が変わった。
制作会社との契約が終了した。

こうした変更が何年も積み重なると、

「このプラグインは何のために入っている?」
「このファイルは削除していい?」
「バックアップはどこにある?」
「そもそも誰が管理している?」

という状態になることがあります。

定期的にサイトを管理していれば、現在使っているもの、不要になったもの、注意しておくべき点などを継続して把握しやすくなります。
トラブルが発生してから初めてサイト全体を調査するよりも、普段から状態を把握しているほうが原因を追いやすいというメリットもあります。

5.ホームページ管理にかかる時間を減らせる

WordPressを自社で保守する場合、作業そのものだけでなく、更新内容やセキュリティ情報などを確認する時間も必要です。

  • アップデートして問題ないか確認する。
  • バックアップを取る。
  • 更新する。
  • 更新後に表示を確認する。
  • フォームをテストする。
  • 問題があれば原因を調べる。

ひとつひとつは短い作業でも、継続して行うとなると一定の時間が必要です。
専門会社へ保守を依頼することで、こうした管理作業を任せ、本来の業務に時間を使えるようになります。
特に専任のWeb担当者がいない会社では、保守を外部へ任せるメリットは大きくなるでしょう。

WordPress保守管理のデメリット

もちろん、WordPressの保守管理にもデメリットがあります。
特に外部の会社へ依頼する場合は、契約する前に次の点を確認しておきましょう。

1.継続的に費用がかかる

外部へ保守を依頼する最大のデメリットは、費用が発生することです。
月額契約であれば、サイトに大きなトラブルがなかった月でも費用はかかります。
また、ホームページ制作のように「新しいページが完成した」という目に見える成果が毎月生まれるわけではありません。

そのため、

「今月は何も起きなかったのに、何に費用を払っているの?」

と感じることもあるかもしれません。
保守管理で提供されるものは、新しいものを作ることよりも、現在のホームページを正常な状態で使い続けられるよう管理することです。
その価値と毎月の費用が見合うかどうかは、自社の運用体制も含めて判断する必要があります。

2.「保守」の内容が会社によって違う

「WordPress保守」と書かれていても、すべての会社が同じことをしているわけではありません。

たとえば、

  • WordPressやプラグインの更新のみ
  • バックアップまで対応
  • セキュリティチェックを含む
  • 表示やフォームの確認を含む
  • トラブル発生時の対応を含む
  • 更新作業や軽微な修正まで含む

など、サービス内容にはかなり違いがあります。
そのため、月額料金だけを比較しても、本当に高いのか安いのか判断できないことがあります。
保守を依頼する場合は、「月額いくらか」だけでなく、その料金に何が含まれているのかを確認することが大切です。

3.保守を依頼してもトラブルを100%防げるわけではない

これは契約前に理解しておきたいポイントです。

保守会社と契約していても、

「絶対にサイトが壊れない」
「絶対にハッキングされない」
「障害が一切起こらない」

という保証はできません。
サーバー障害や外部サービスのトラブル、新しく発見された脆弱性など、管理だけでは防げない問題もあります。

保守管理の目的は、

問題が起きる可能性を減らすこと。
問題に早く気づくこと。
そして、問題が起きたときに復旧できる状態を作ること。

この3つです。
「保守契約=絶対安全」ではないことも、保守会社を選ぶうえで知っておきたいポイントです。

すべてのWordPressサイトに保守契約が必要なわけではありません

ここまでメリットを紹介してきましたが、WordPressを使っているからといって、必ず専門会社と保守契約を結ばなければならないわけではありません。

たとえば社内にWordPressやWebサイトについて理解している担当者がいて、

  • WordPressやプラグインを定期的に更新できる
  • バックアップを管理できる
  • 更新後の動作確認ができる
  • セキュリティについて確認できる
  • 不具合が起きたときに対応できる

という環境が整っているのであれば、自社で管理することも十分可能です。
反対に、

  • WordPressを数か月以上触っていない
  • 更新通知が出ているけれど怖くて更新できない
  • バックアップがどこにあるかわからない
  • フォームの送信テストをしたことがない
  • 制作会社との契約が終了している
  • 社内にWeb担当者がいない
  • トラブルが起きたときに相談できる人がいない

という場合は、外部へ保守を任せるメリットが大きくなります。
「自社でできるか、外部へ任せるか」には正解があるわけではありません。
自社の知識・人員・時間と、サイトの重要度を考えて判断することが大切です。
自分で管理する場合と専門家へ依頼する場合の違いについては、「WordPressを自分で保守するのとプロに任せる違い」で詳しく紹介します。

保守管理は「何も起きない状態」を維持する仕事

ホームページの保守管理は、成果が少し見えにくい仕事です。
新しいデザインが完成するわけでも、新しいページが毎月増えるわけでもありません。
むしろ、

  • サイトがいつも通り表示されている。
  • お問い合わせフォームがいつも通り動いている。
  • 必要なアップデートが行われている。
  • バックアップが取得されている。
  • セキュリティ上の大きな問題が見つかっていない。

そんな「いつも通りの状態」を維持することが保守管理の役割です。
そして、その「いつも通り」が崩れたときに、できるだけ早く気づき、元に戻せる状態を整えておく。
それがWordPressを継続して保守する大きな意味だと考えています。

WordPressの管理方法を検討している方へ

SoftEdgeでは、WordPressサイトの保守・管理を行っています。
WordPressやプラグインの更新、セキュリティチェック、表示・フォーム確認、バックアップなど、サイトを継続して運用するための管理に対応しています。

ただし、社内で適切に管理できているのであれば、必ずしも外部へ保守を依頼する必要はありません。

「自社で管理を続けられるのか」
「どこから専門家へ任せたほうがいいのか」
「そもそも現在のサイトがどんな状態なのかわからない」

という場合も、まず現在の管理状況を整理するところから考えてみてください。
そのうえで外部での管理が必要だと感じたときは、SoftEdgeでもご相談を承っています。