WordPressの管理画面には、WordPress本体やプラグインを簡単にアップデートできる機能があります。
バックアップ用やセキュリティ対策用のプラグインもあり、設定方法を調べれば、自分でWordPressを保守することも可能です。
では、専門会社へ保守を依頼する場合との違いはどこにあるのでしょうか。
「更新ボタンを押すだけなら、自分でもできるのでは?」
そう思う方もいるでしょう。
実際、自分で適切に管理できるのであれば、必ずしも専門会社へ保守を依頼する必要はありません。
ただし、自分で保守するということは、作業そのものだけではなく、その作業を正しく行うための知識を身につけ、情報を確認し、問題が起きたときには自分で判断することも含まれます。
この記事では、WordPressを自分で保守する場合とプロへ任せる場合で、実際に何が違うのかを具体的な作業から考えてみます。
WordPressは自分でも保守できる
まず、「WordPressの保守は専門家にしかできない」というものではありません。
WordPressやWebサイトについて学び、必要な作業を継続できるのであれば、自分で管理することもできます。
たとえば基本的な保守だけでも、
- WordPress本体のアップデート
- テーマ・プラグインのアップデート
- バックアップ
- セキュリティチェック
- 表示確認
- お問い合わせフォームの動作確認
などがあります。
一つひとつを見ると、それほど難しく感じないかもしれません。
しかし、実際の保守では「作業ができる」だけでなく、その前後の判断が必要になります。
違いは「更新ボタンを押せるか」ではありません

たとえば、WordPressの管理画面にプラグインの更新通知が表示されたとします。
更新そのものは簡単です。「今すぐ更新」をクリックすればだれでもアップデートできます。
では、すぐに押しても大丈夫なのでしょうか?
実際には、更新する前に確認しておきたいことがあります。
現在のWordPressに対応しているか。
使用しているPHPのバージョンに問題はないか。
ほかのプラグインとの競合情報はないか。
大きな仕様変更は含まれていないか。
更新前のバックアップは取得できているか。
そして更新後には、サイトの表示や機能に問題がないかを確認します。
もし更新後に不具合が起きたら・・・
「更新したプラグインが原因なのか」
「別のプラグインとの組み合わせなのか」
「テーマとの問題なのか」
「PHPなどサーバー環境との問題なのか」
を切り分けていきます。
つまりプロに保守を依頼したときに任せているのは、クリックする作業だけではありません。
「今、これを実行して大丈夫か」を判断するところから保守は始まっています。
バックアップは「取れた」だけでは終わらない
バックアップも、自分で行うことができます。
WordPressにはバックアップ用のプラグインがあり、レンタルサーバー側に自動バックアップ機能が用意されていることもあります。
ただし、ここでも必要なのは「バックアップを設定すること」だけではありません。
たとえば、
- WordPressのファイルは保存されているか
- データベースは保存されているか
- 何世代保存されているか
- サイトと別の場所にも保存されているか
- バックアップ処理が途中で失敗していないか
- 必要なときに復元できるか
などを確認します。
バックアップの目的は、ファイルを保存しておくことではなく、問題が起きたときにサイトを戻すことです。
そのため、保守では「バックアップがあります」で終わらず、「必要になったときにどう復旧するか」まで考えて管理します。
セキュリティ対策には継続的な判断が必要
WordPressのセキュリティ対策も、一度設定すれば永久に終わりというものではありません。
セキュリティ用プラグインを導入した場合でも、警告やスキャン結果が表示されることがあります。
そこで必要になるのが、
「この警告には対応が必要なのか?」
という判断です。
すべての警告が同じ危険度ではありません。
すぐに対応したほうがよいものもあれば、サイトの構成を確認したうえで判断するものもあります。
また、WordPress本体やプラグインでは、新しい脆弱性が発見されることがあります。
重要なアップデートが公開されれば、サイトへの影響を考えながら対応する必要があります。
セキュリティ対策とは、ツールを導入することだけではなく、情報を確認し、そのサイトにとって何が必要なのかを判断し続けることでもあります。
「正常に表示されている」の確認範囲も違う
サイトを確認するとき、トップページを開いて問題なく表示されれば「大丈夫」と思うかもしれません。
しかし、保守として確認する場合はもう少し範囲が広くなります。
主要なページが崩れていないか。
スマートフォンでも問題なく表示されているか。
リンクは正常か。
お問い合わせフォームから実際に送信できるか。
メールは届いているか。
管理画面にエラーが出ていないか。
以前の記事「WordPressを保守せず放置するとどうなる?実際に起きたトラブル事例」では、サイト自体は正常に表示されているのに、お問い合わせメールが正常に届いていなかった実例を紹介しました。
「見えるところが動いている」と「サイト全体が正常に機能している」は、必ずしも同じではありません。
トラブルが起きたときに差が出やすい
普段の保守作業だけなら、自分で調べながら対応できることも多いでしょう。
違いが出やすいのは、何か問題が起きたときです。
- たとえばアップデート後に画面が真っ白になった。
- 管理画面へ入れなくなった。
- レイアウトが崩れた。
- フォームからメールが届かなくなった。
そんなときには、まず原因を探す必要があります。
- ブラウザ側の問題なのか。
- WordPressなのか。
- テーマなのか。
- プラグインなのか。
- PHPなのか。
- サーバーなのか。
- メールサーバーなのか。
- 外部サービスなのか。
原因によって、確認する場所も対応方法も変わります。
専門家へ依頼するメリットのひとつは、過去の経験や知識から確認すべき場所を絞り込みやすいことです。
もちろん、プロでも原因調査に時間がかかる問題はあります。
違いは「何でもすぐ直せる」ことではなく、問題を切り分けるための知識と経験をすでに持っていることにあります。
自分で保守するときに必要になる「見えない時間」
ここまで紹介した作業は、すべて自分で学ぶことができます。
しかし、ここで考えておきたいのが時間です。
- WordPressの使い方を調べる。
- バックアップ方法を調べる。
- セキュリティについて学ぶ。
- アップデート情報を確認する。
- エラーが出たら検索する。
- 原因を調査する。
そして、WordPressやWebを取り巻く環境は変化していくため、一度勉強したら終わりではありません。
自分で保守する場合に必要なのは、作業時間だけではなく、正しく作業するための知識を身につけ、維持する時間でもあります。
これは保守費用を比較するときに見落とされやすいコストです。
プロへ依頼するのは「作業」だけではなく「時間」を買うこと

専門会社へWordPressの保守を依頼すると費用がかかります。一方で、その費用によって、
WordPressのアップデートについて毎回調べる時間。
バックアップについて勉強する時間。
セキュリティ情報を追う時間。
エラーが出たときに原因を探す時間。
こうした時間を、自社の商品やサービス、顧客対応などに使うことができます。
つまり保守を外部へ任せることは、単に「WordPressを触ってもらう」ためだけではありません。
専門知識を一から身につける時間と、継続して管理するための時間を外部化することでもあります。
ここが、自分で保守する場合と専門家へ任せる場合の大きな違いです。
自分で保守する?プロに任せる?判断の目安
では、どちらを選べばよいのでしょうか。
自分で保守しやすいケース
次のような場合は、自社管理でも十分対応できる可能性があります。
- WordPressやWebサイトについて学ぶことが苦にならない
- 定期的に管理する時間を確保できる
- バックアップや復旧方法を理解している
- エラーが発生したときに自分で調査できる
- セキュリティ情報を継続して確認できる
- 社内にWeb担当者がいる
自社で管理できれば外部への保守費用は必要ありません。
また、サイトの仕組みを自社で理解できるというメリットもあります。
プロへ任せるメリットが大きいケース
一方、次のような場合は外部へ任せることで負担を減らせます。
- WordPressを管理できる担当者がいない
- 本業が忙しく定期的な確認が難しい
- WordPressについて一から勉強する時間がない
- バックアップや復旧方法がわからない
- エラーが起きたときに対応できる人がいない
- 制作会社との契約終了後、そのままになっている
特に小規模な会社では、「Web担当者」という肩書きがあっても、ほかの業務と兼任しているケースも少なくありません。
その場合、保守費用だけを見るのではなく、自社で管理するために必要な時間まで含めて比較することが判断材料になります。
どちらが正解ではなく、自社にとってどちらが合理的か
WordPressを自分で保守することと、専門家へ任せることのどちらかが正解というわけではありません。
知識があり、管理する時間も確保できるのであれば、自社で保守することには十分なメリットがあります。
一方、そのために毎月何時間も調査したり、本来の業務を止めてトラブル対応をしたりするのであれば、外部へ任せたほうが結果的に合理的な場合もあります。
比較するときに考えたいのは、
「自分でもできるか」だけではなく、「自分でやることが自社にとって最も効率的か」
という点です。
専門家へ依頼する費用は目に見えます。
しかし、自分で調べ、学び、判断し、対応するための時間は請求書には現れません。
その見えない時間まで含めて考えると、自社に合った管理方法を判断しやすくなります。
WordPressの管理に時間を取られている方へ
SoftEdgeでは、WordPressサイトの保守・管理を行っています。
WordPress本体やプラグインの更新だけでなく、バックアップ、セキュリティチェック、表示・フォーム確認など、継続してサイトを運用するための管理に対応しています。
もちろん、自社で適切に管理できているのであれば、無理に外部へ依頼する必要はありません。
「管理する時間が取れなくなってきた」
「担当者がいなくなってしまった」
「自分で調べながら管理することに負担を感じている」
という場合は、WordPressの管理そのものを外へ任せる方法もあります。
ホームページを管理するために使っていた時間を、本来の仕事へ戻す。
それも、WordPress保守を外部へ任せるひとつのメリットです。
