クリエイター視点での契約にまつわるお話

2024年10月時点のお話ですが、基本的にどの年代においても通じる話かと思いますので、初めてお仕事を受注して契約をする方も読んでおいて損はない内容かと思います。

お仕事の相談から契約締結までのおおまかな流れ

  1. お仕事の相談を受ける
  2. 秘密保持契約書(NDA)を締結する
  3. 仕事の内容と依頼内容の確認
  4. 仕様書の内容確認(要件定義)
  5. 業務委託契約書のドラフト作成 or 受け取り
  6. 見積書作成
  7. 発注書のドラフトを受け取る
  8. 契約締結

お仕事の相談を受ける

お仕事のご依頼をうけるとき、一般的にその時点で守秘義務が発生します
少し前後してしまいますが、守秘義務というのはお仕事の内容等を外部に漏らさない事です
社内で共有する以外はインターネット上でぽろっと言ってしまった!というのは重大な違反になるのでご注意ください
個人のSNSで言ってしまうのもアウトですのでお気を付けを…

秘密保持契約書(NDA)を締結する

守秘義務契約書は、機密保持契約書(NDA)とも言います。前述のとおりお仕事のご相談を受けたら基本的には受けた日から義務が発生するように書類が作られます。
先方からドラフトをもらい、内容がおかしいなと思った場合は訂正を依頼をしましょう。
訂正を拒否された場合はその旨を聞ききちんと把握して納得したら署名で良いのですが、納得がいかない場合は都度話し合いましょう。
場合によっては弁護士さんにリーガルチェックをしてもらうべきです。
ここで揉めるようなら仕事を請けないほうがお互いの身のためです。

仕事の内容と依頼内容の確認(要件定義)

依頼内容はどんなものか、作業の範囲はどのようなものか、期間や予算といったものを話し合い、仕様書(要件定義)にまとめます

仕様書の内容確認

上記で話し合った内容で作られた仕様書(要件定義)を確認し、齟齬や確認漏れを必ず確認しましょう。全て確認してまとめてから返信をすると効率が良いです。
※ここをうやむやにすると作業の範囲や予算オーバーと言ったトラブルに発展しますのでよくチェックしましょう

業務委託契約書のドラフト作成 or 受け取り

齟齬をつぶしたうえで同意を得たら、業務委託契約書を作成します。ご自身で作成されてもよいですし、相手方が作成してもよいです。
基本的に2部ずつ作成して製本し、2部割り印をして締結となります。
契約書のひな形は検索すると見つかりますので、ご自身にあったものをダウンロードして適宜手を加えてください。
契約の締結前にリーガルチェックを行ってください。

割り印をする理由

割り印をすることにより文書を改ざんしていませんという証拠になります。

守秘義務契約書のひな形

企業法務弁護士ナビ様
マネーフォワード様

請負契約書のひな形

弁護士法人 デイライト法律事務所様
BIZOCEAN様

または、ChatGPT(AI)に作成してもらうのも良いと思います。
※この場合内容に不備がある場合が多いので必ず目視チェックとリーガルチェックを行ってください

見積書作成

契約書が締結したら、仕様書(要件定義)に則り見積書を作成します。予算等はすでに取り決めをしてあるので、追加や忘れていたものがある場合(ほんとはダメですけど)先方と話し合って追加をし、要件定義も更新します。

発注書のドラフトを受け取る

先方から発注書を受け取ります。発注書は必ずもらうようにしてください。これも契約上のトラブルに発展する場合が非常に多いのですが、作成した見積書と照会して齟齬がないか確認してください

契約締結

おつかれさまでした。これで安心して制作作業に取り掛かることができます!
請負契約は個人も法人も関係なく発生します。きちんとルールを設けることによりお互いが気持ちよく仕事ができるようにするためのものですので、日ごろからひな形や一定ルールをご自身で設けておくこともとても大事なことです。ルールをお持ちでない方はぜひ作ってみてください。

契約・確認に必須の書類まとめ

  • 業務委託契約書
  • 秘密保持契約書(NDA)
  • 仕様書(要件定義書)
  • 発注書(注文書)
  • 見積書

最も大事な話

お仕事の作業に入る前に契約書類を締結不可の会社、またはクリエイターとは仕事をしないようにしましょう。
70~90%くらいの割合でトラブルに発展します。
ルールをよく把握して楽しいクリエイティブライフを!